融資タイプについて

住宅ローンの基礎

融資タイプは、耳慣れない言葉だと思います。
ネットで検索したとしても、辞書にすらのっていません。
それもそのはず、私の造語だからです。

融資タイプとは、融資をするタイミングにより分類されます。

    • 当初一括融資
    • 分割融資
    • 最終一括融資

    融資タイプを知らないと、金利や諸費用面で差がつくことがあります。

    購入予定の住宅の種類により、選べる融資タイプが異なってくるので、事前に調べておきましょう。

    当初一括融資とは

    当初一括融資とは、物件の購入や建築契約時等、最初に支払が発生するタイミングで、必要金額を全額融資するタイプです。

    注文住宅、中古住宅(リフォームあり)など、支払い回数が複数回あるものが対象となります。

    取扱金融機関は、地方銀行、信用金庫などに多く、大手銀行やネット銀行などは取扱いがありません。

    利用者にとってのメリット

    最初に住宅ローンを全額借入するため、途中の支払いがあっても余計なコストをかけずに支払いができます。よって、諸費用が全タイプで最も安くなります。

    金利上昇局面では、早めに金利を確定できるため、利息が安くなりやすいです。

    融資実行時に全額、団体信用生命保険が付保されるため、万が一建築中に死亡しても、全額保険で住宅ローンんが支払われるため、安心です。

    利用者にとってのデメリット

    地方銀行などが多く、金利が相対的に高く、利息が高くなりやすい。

    金利が下降局面であると、金利が高い時点で決まってしまうことがあり、利息が高くなりやすいです。

    融資実行の翌月から返済が始まるため、現在賃貸住宅にお住まいの方は、支払いが二重払いとなり負担が大きくなります。

    最初に住宅ローンが実行されてしまうため、完成までの期間中に、借入金額を増額しようと思ってもできません。

    分割融資とは

    分割融資とは、支払いのタイミングごとに必要資金を貸してくれます。

    ただし、銀行により2~5回と分割回数が異なるため、必ずしも必要な時期に借りられる訳ではありません。分割回数が2回だと、土地と建物に1回ずつとなり、建物代金を複数回支払う場合には対応できません。

    注文住宅、中古住宅(リフォームあり)など、複数回の支払いがある場合に、適用できます。

    取扱金融機関は、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、SBI新生銀行、横浜銀行など大手銀行を中心にいくつかありますが、数は多くありません。

    利用者にとってのメリット

    必要な時期に、必要なだけ資金調達ができるため、安心できます。

    金利が安い銀行が多く、利息が安くなりやすいです。

    諸費用も、当初一括タイプに比べると高くなるが、そこまで高くはなりにくいです。

    融資実行時に金利が決まるため、金利が動いても、タイミングや金額が分散され平準化されるため、高すぎず、安すぎない金利になりやすいです。

    利用者にとってのデメリット

    分割回数が増えると、手続きの回数もふえて、煩雑になります。

    分割が2回までの銀行の場合、建物代金の支払いが完成時にしか貸してくれないため、つなぎ融資を利用する必要があります。

    融資実行の翌月から返済が始まります。融資実行ごとに返済額が増えていくため、完成までの支払い負担が家計にとって重荷になることがあります。ただし、銀行によっては負担を軽減するため、利払いのみにすることができます。

    融資実行ごとに、団体信用生命保険がつくため、万が一建築中に死亡すると、建物の完成が簡単ではなくなります。

    最終一括融資とは

    最終一括融資とは、完成するまで融資実行がありません。

    マンション、分譲住宅、建売住宅、中古住宅などのように、支払いが1回のものが対象です。

    注文住宅、中古住宅(リフォームあり)などのように複数回の支払いがある場合には、つなぎ融資を利用する必要があります。

    取扱金融機関は、ネット銀行などに多く、フラット35も最終一括です。

    利用者にとってのメリット

    必要な時期に、必要なだけ資金調達ができるため、安心できます。

    金利が安い銀行が多いく、利息は安くなりやすいです。

    金利が下降局面にある場合には、利息が安くなりやすいです。

    諸費用はやや高くなりやすく、つなぎ融資を利用する場合にはより負担が大きくなりやすいです。

    つなぎ融資を利用する場合には、完成までの期間中に返済負担がないため、家計に負担が小さいです。

    融資実行時に金利が決まるため、金利が動いても、タイミングや金額が分散され、高すぎず、安すぎない金利になりやすい。

    利用者にとってのデメリット

    つなぎ融資を利用すると、金利が2~4%と高めであることが多く、費用が高くつきます。

    つなぎ融資を利用すると、手続きの回数もふえて、煩雑になります。

    金利が上昇局面にある場合には、利息が高くなりやすいです。

    完成までの間は、団体信用生命保険がつかないため、万が一建築中に死亡すると、建物の完成が難しくなります。

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