自己資金と頭金

住宅ローンの基礎

自己資金と頭金、どちらも聞いたことがあると思います。
どちらも同じような意味だと思いましたか?
それは普通の感覚です。

しかし、それぞれに違った使われ方をするので、正確に理解して使い分けしましょう。

実は、この用語について定義が確定している訳ではありません。
大手の情報サイトでも、残念ながら勘違いを助長するような定義をしています。

頭金とは

まず「頭金」の一般的な定義をみてみましょう。

「売買代金の分割払いの約束があるときに、買い主が最初に支払うべき金額。土地、家屋、自動車その他比較的高額の品物の売買について行われ、頭金を支払えば、目的の物が買い主に引き渡される。そのため通常、頭金の額は1回の分割支払い額よりはるかに高額の場合が多く、総代金の5分の1から2分の1に及ぶこともある。手付金とは異なり、頭金には多くの場合解約手付の性質はない。」出典「日本大百科全書」

住宅取引の場合は、上記の説明とは少し異なった使われ方をしています。
土地、家屋と例に出ていますが、どちらも、最初にお金を支払っても、目的の物が買い主に引き渡されることもないし、頭金が20~50%に及ぶことはなく、せいぜい5~20%です。頭金の定義とは微妙に一致していません。

ただ、頭金には「頭」という文字がついていることから、「買い主が最初に支払うべき金額」という性質があるとみるべきと考えます。土地では手付金を、家屋の建築では契約金を最初に支払うので、これらは頭金と呼べる可能性があります。
しかし、後半部分に「頭金には多くの場合解約手付の性質はない」とあり、契約を解約した場合には返金されるものだとわかります。手付金の場合には、解約した場合には手付金は没収され、損害賠償金は発生しないので、頭金ではないといえます。契約金の場合は、解約した場合は損害賠償金が発生するので、頭金と呼んでよいのかもしれません。

あるサイトでは、頭金の定義を「住宅価格から住宅ローン借入額を差し引いた部分の金額を指します」としています。
これもわかりやすいのですが、最後の支払い時に住宅ローンで足りない部分を現金で支払うことがあります。そのサイトの定義にのっとれば頭金なのですが、「最初の支払い」ではない点に強烈に違和感を感じてしまいます。

自己資金とは

自己資金の定義を調べてみても、なかなか明確なものはなく、違い比較辞典というサイトに以下のような説明があった。
「自己資金とは、自分が働いたり投資したりして蓄積した資金であり、借りているお金ではない、自由に使える資金を意味している」

前述のサイトが定義する「住宅価格から住宅ローン借入額を差し引いた部分の金額」は、上記の定義をみれば「自己資金」と呼ぶのべきだと考えます。

また、住宅ローンは資金使途が特定されていますが、自己資金は何にでも使えるため、まさに定義通りだと言えます。

ちなみに、私の自己資金の正確な定義は、「住宅価格と諸費用の合計額から住宅ローン借入額を差し引いた部分の金額を指します」となります。
これは、住宅価格以上に住宅ローンを貸す銀行が増えていることから、現状にあわせて微調整しました。

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