返済計画は、とても重要であるにもかかわらず、一般的な資金計画では取扱いがありません。
この計画が立てられていないため、借り過ぎかどうかを自分で判断できないことが、最も大きな問題と考えます。
借り過ぎかどうかを反転するため、外してはいけないポイントを解説します。
安定的な返済ができることを確認
返済が問題ないかどうかは確認するとしても、今の収入で問題がないか確認することはできます。
当然ながら、現時点で返済ができなければ金融機関が融資する訳がないので、目先返済できるのは当たり前です。
将来ずっと問題なく返済ができることを保証された訳ではないのです。
金融機関は、将来返済を続けられるかどうかは、個人情報から判断するというよりは、過去の統計を参考に確率的に判断しています。
これまでのデータを見れば、住宅ローンでデフォルト(返済不能となること)になる人は、確率的に非常に低かったので、個人情報をそれほど重視しなかったのでしょう。
しかし、コロナ禍により明らかになったように、これまでと同じようなリスク管理が通用しないかもしれません。それは金融機関にとってもそうですが、個人にとってもそうなのです。
従って、借り手としては、自分の情報をもとに自ら返済ができるか確認した方がよいでしょう。
返済が滞る理由は、予想外の収入減少、支出増加がほとんどです。
その原因は様々ですが、それぞれの対策を検討するのがよいでしょう。
例えば、住宅ローン利用者が死亡したり、住宅が火災で焼失したりするリスクに対しては、団体信用生命保険と火災保険があり、住宅ローン利用者は加入が原則義務付けられています。これらのリスクはほぼ問題ないと考えます。
収入減少などは収入保障保険や所得補償保険、団信特約などで対応できることもありますが、一定以上の貯金を準備しておくという方法もあります。
もしくは、副業をする、資格を取得しておくなどの対策も有効かもしれません。
気になる金利リスクは、これまで金利が上昇してこなかったので、リスクを過少評価されているのではないか、と懸念しています。この際、リスクシナリオをたてて、対策を練り上げましょう。
今後はインフレ進行、離婚など、自分でリスク排除ができそうでできないものもあります。
対策をたてられるものはたて、どうしても排除ができないリスク場合は、のみこまなくてはならないでしょう。
住宅ローン以外の支払いができることを確認
住宅ローン以外の支払いで、特に注意を要するのが、三大支出と言われる「教育費」「住居費」「老後資金」です。
教育費は、大学進学以降の費用に対する備えが必要となります。
首都圏では中学校、高等学校の教育費や塾の費用もかなり負担となりますので、別途支払いについて準備ができるのか確認をした方がよいでしょう。
最近は、大学だけでなく、大学院、博士課程、海外留学など色々な選択肢がふえています。金額的な負担も大きいので、様々な可能性と対策を検討しておく方がよいでしょう。
住居費は、住宅ローン返済は前述の通り対策を検討しているので、リフォーム費用の準備を意識しましょう。
マンションであれば、専有部に関するリフォームの費用を準備するので、35年で300~500万円は準備しておきましょう。戸建て住宅であれば、500~1,000万円の準備が必要です。
このレベルの費用がかかるのであれば、事前に資金の準備ができることを確認しておく必要があります。
老後資金は、あらゆるしわ寄せがくるところです。
おそろしいのは、退職後に収入が激減したにもかかわらず、子供が学校に通っていて、住宅ローンの返済も続いているケースです。このようなケースは、年単位で資産の想定残高を確認しておくべきです。
また、金利のリスクシナリオをたてて、退職時点での純資産を確認するか、貯金が何歳でなくなるかを確認しましょう。
以上のように、未来の支出へ備えができているかを確認するのが、「みらい資金計画」となります。
「みらい資金計画」をたてることで、あなたの抱えている問題があきらかになります。
問題発生までの時間が長ければ長いほど、対策は簡単になるので、直ちに対策をたてていただきたいです。